今回は書体について
漢字には、篆書・隷書・草書・行書・楷書の五つの書体があります。
これは、時代とともに変化した書体を5つの形に分類したものです。
●甲骨文−こうこつぶん−<神の文字>
●篆書−てんしょ− <皇帝の文字>
この時代の篆書作品
石鼓(せっこ)文 『前』300〜400
『泰山刻石(たいざんのこくせき)』 『前』219
『瑯邪台刻石(ろうやだいのこくせき)』 『前』219など
●隷書−れいしょ−<役人の文字>
この時代の隷書作品
作者不詳『礼器碑』156
同じく 『曹全碑』185
同じく 『張遷碑』186
同じく 木簡・竹簡など
●草書と行書−そうしょとぎょうしょ−<人々の文字>
この時代の行書作品
王羲之『蘭亭序(らんていじょ)』
王羲之『集字聖教序(しゅうじしょうぎょうのじょ)』
この時代の草書作品
王羲之『十七帖(じょう)』
王羲之『喪乱帖(そうらんじょう)』356
王羲之『孔侍中帖(こうじちゅうじょう)』
王献之『中秋帖(ちゅうしゅうじょう)
●楷書−かいしょ−<印刷の文字>
この時代の楷書作品
造像記
作者不詳『牛けつ造像記』495
朱義章『始平公造像記』498など
墓誌銘
作者不詳『美人董氏墓誌銘』597
作者不詳『蘇慈墓誌銘』603など
欧陽詢(おうようじゅん)(『九成宮醴泉銘(きゅうせいきゅうれいせんのめい)』など)
虞世南(ぐせいなん)(『孔子廟堂(びょうどう)碑』など)
ちょ遂良(ちょすいりょう)(『雁塔聖教序(がんとうしょうぎょうのじょ)』など)
顔真卿(がんしんけい)『顔氏家廟の碑』 明朝体活字の基になっている書体です。
●日本の書体 かな<女性の文字>
平安前期の仮名の代表的作品
伝紀貫之『寸松庵色紙(すんしょうあんしきし)』
伝小野道風『継(つぎ)色紙』
伝藤原行成『升(ます)色紙』
紀貫之、藤原公任(きんとう)、藤原行成、源兼行(かねゆき)、藤原伊房(これふさ)、
藤原基俊(もととし)、藤原定信(さだのぶ)らが書いた、
『高野切(こうやぎれ)』(古今和歌集断簡)『石山切(いしやまぎれ)』など
次回は紙について
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